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愛子日本人初のモーグル女王/W杯スキー

女子デュアルモーグルで優勝し、笑顔の上村愛子(中央)(共同)
女子デュアルモーグルで優勝し、笑顔の上村愛子(中央)(共同)

<W杯スキー:女子デュアルモーグル>◇8日◇スウェーデン・オーレ

 上村愛子(28=北野建設)が、W杯4連勝を果たし、モーグルでは日本選手初の種目別優勝を決めた。デュアルモーグルで予選を2位通過、決勝トーナメントも順調に勝ち進み、決勝で種目別2位のニコラ・スドバ(チェコ)を下した。2月16日の猪苗代大会から4連勝で、W杯通算6勝目。これで種目別得点は583点となり、スドバが480点のため、最終戦でスドバが優勝(100点)しても逆転できず、種目別Vが決まった。スキーのW杯では日本人勢6人目の種目別優勝となる。

 世界の頂点だ。96年のW杯初参戦から13年目のシーズン、上村が女王の座にたどり着いた。その称号である黄色いビブを身にまとい、表彰台の真ん中に立つと、156センチの小さな体が大きく映った。

 決勝トーナメント決勝はライバルのスドバと直接対決だった。「心身ともに疲れていたが、今日頑張れば楽になれると思って頑張った」。スタート前は足の震えが止まらないほどの緊張も、滑り出すと冷静になれた。リズムに乗ったターンでリードを広げる。「相手が見えなくなったので余裕を持てた」という第2エアでは、今季から取り入れた後方宙返りをきれいに決めた。ゴールを駆け抜け、両手でガッツポーズ。地元アナウンサーから日本語で「ドウモアリガトウ、アイコ」と放送されると、涙が光った。

 五輪を3度経験し、さらに10年バンクーバー五輪に向け、長期展望を持つ。その1つが「エアの上村」から「滑りの上村」への変ぼうだ。06年トリノ五輪ではエアを重視し過ぎて、直前にヒザを負傷。本番でもスピードの得点が伸びず5位に終わった。全日本スキー連盟の林辰男フリースタイル部長は「経験から滑りきって順位を出すことが、大事だということをつかんだ」と解説。大技の3Dエアよりも得点の50%を占めるターンに重点を置く、“ニュー愛子”を目指した。

 ソルトレークシティー五輪男子モーグル金メダルのラハテラ氏(フィンランド)が、全日本モーグルチーフコーチに就任したことも大きい。世界の頂点を極めた技術を学び、高速ターンの完成度を上げた。

 女王の称号を得て、残る目標は五輪のメダルだけ。「本当にうれしい。すごい自信になる。来年の世界選手権(猪苗代)、再来年の五輪でも十分に戦っていけると思う」。この日がゴールではなく、五輪への再スタートでもあった。

 [2008年3月9日9時18分 紙面から]


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