北京五輪で2大会連続平泳ぎ2冠を成し遂げた北島康介(26=日本コカ・コーラ)が、7月の世界選手権を欠場することが濃厚になった。16日、都内で日本スポーツ賞の大賞を受賞後、4月の日本選手権の出場意向について「この時期(練習で)泳いでないことから分かるでしょう。出ません、とも言いませんが」と答えた。日本選手権は世界選手権の選考を兼ねているため、欠場すれば世界への出場権利も失うことになる。

 昨夏の五輪で2冠を達成した直後に第一線から退くことをほのめかした。その後は現役引退はしない意向を示しながらも、12年ロンドン五輪や世界選手権を目指すことは明言していない。日本選手権は高校1年の98年から出場を続け、100メートル平泳ぎでは9連覇を継続してきた。初出場以来初めての欠場となれば、北京五輪から1年近く第一線からブランクをつくることになる。

 日に焼け、体重も大きくは変動していない。精悍(せいかん)な顔つきに見えるが、本格的な練習は再開していない。「練習のない年末年始?

 気分がいいね。人生、物心がついてから初めてだから」と勝負の世界に早急に戻る気配はなかった。【広重竜太郎】