陸上の北京五輪1万、5000メートル代表の赤羽有紀子(29=ホクレン)が、8月の世界選手権(ベルリン)のマラソン出場に向けたローテーションを組む。同大会の内定は出ていないが、出場を見据え、5月10日の仙台国際ハーフマラソンを今季初レースに選択。6月末の日本選手権で1万、5000メートルを走り、本番に臨む計画を立てていることが17日、分かった。2度目のマラソン挑戦で力を出し切れるよう、逆算して準備を進める。

 マラソン一本で勝負したい。赤羽の思いが今季の日程に詰まっている。夫の周平コーチ(29)は、初マラソンで2位に入った大阪国際女子の出場前から、スケジュールを描いていた。同コーチは「世界選手権でトラックの字は頭の中にない。(仙台では)だれないで押し切りたい」と言い切った。世界選手権のマラソン代表選出は4月末までの海外主要レースの結果次第と不透明な状況も、現時点でトラック出場は考えず、マラソンで最大限の結果を残せるように調整していく。

 初マラソンとなった大阪国際女子で2位に入り、競技への思いが高まった。直後に12年ロンドン五輪の出場を前提に、マラソンに挑戦していく意志を固めた。この日、札幌市内で行われた所属先ホクレンの今季新体制の会見では「マラソンで出られると信じ、マラソンの練習をしている。北京でトラックで入賞するのは難しいと実感した。マラソンは日本人でメダルを狙える」と口にした。ママさんランナーは、ステージをトラックから本格的にロードに移し、世界と戦っていく。【長島一浩】