フィギュアスケート女子の中野友加里(23=プリンスホテル)が、来年4月のフジテレビ入社が内定段階にあることが3月31日、分かった。複数の関係者が明かした。練習や大会の合間を縫って、一般の学生と同じように入社試験を受け、1週間ほど前に口頭で内定が出たという。同社には98年長野五輪女子モーグル金メダリストで、競技中心に活動する里谷多英が在籍しているが、関係者は「そんなレベルではないので、普通に勤務します」と話しており、来季限りで第一線から退く可能性が高いとみられる。

 中野は女子では浅田真央と世界で2人しかいないトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳べる選手。昨年12月の全日本選手権で5位に終わり、2月の4大陸選手権や3月の世界選手権では代表に選ばれなかったが、2月に中国で行われたユニバーシアードでは日本選手団の主将を務め、金メダルを獲得した。来年のバンクーバー五輪での代表入りはもちろん、五輪で上位入賞も狙える実力を備えている。

 06年トリノ五輪の出場を逃した中野にとって、来年2月のバンクーバー五輪出場が現役生活の区切りとなる目標。在籍2年目となる早大大学院は、順調なら来年3月に修了する見込みで、近年は故障続きだったこともあり、第2の人生を考えるようになったようだ。中野はアナウンサーではなく、スポーツ報道に携わりたい意向という。今秋にも同社から正式な内定通知を受け取る見通しだ。