【コペンハーゲン2日=吉松忠弘】東京が惜敗した。16年夏季五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会が行われ、シカゴ(米国)、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)とともに立候補していた東京は、1回目の投票では残ったが、2回目の投票で最下位となり、落選。64年以来2度目の夏季五輪開催はならなかった。3回目の投票でリオデジャネイロが開催都市に決まった。
東京の夢が惜しくも散った。過半数の票を集める都市が決まるまで、最下位が落選する方式で投票が行われ、1回目はシカゴが脱落。2回目に東京が落選し、現地入りしていた招致関係者からは大きなため息が漏れた。招致応援ランナーとして現地入りしている高橋尚子さんは「本当に東京で五輪ができると思い続けてきたので、とてもショックです。この結果が信じられません」と目を潤ませた。東京五輪招致委理事で、ハンマー投げの室伏広治は「残念だけど、いいプレゼンができて、世界にアピールできた。どこがいいとか悪いとかでなく、IOC委員の考え方で、開催地が決まる」と話した。
大苦戦が予想されていた。投票が近づくにつれ、リオとオバマ大統領の話題が目立ち、東京はネガティブなものばかり。1回目の投票で落選することも考えられた。しかし、重要視した最終プレゼンで、隠し球を出した。冒頭で、15歳の無名の体操選手、三科怜咲(みしな・れさ)さんが登場。シンガポール育ちの流ちょうな英語で「若い世代の代表として将来の五輪について語りたい」と、IOC委員の心をつかんだ。荒木田裕子理事が「(東京で)カラオケに一緒に行きましょう!」と笑顔で叫ぶと、笑いと拍手が起きた。招致委の河野事務総長のフランス語のスピーチには驚きの声が上がった。
招致関係者は「日本にとって、過去最高のプレゼン」と誇らしげに語った。東京は半径8キロ圏内にほとんどの競技会場を集めたコンパクトな計画を掲げ、64年大会で使用した競技場も一部を活用するなど、綿密な計画を策定した。最終プレゼンでは漫画「キャプテン翼」の画像を使い、柔道の創設者・嘉納治五郎氏を紹介し、鳩山由紀夫首相もスピーチ。それでも招致には届かなかった。
東京は各国の要人がIOC委員と個別面談するなど、激しさを増したコペンハーゲンでの終盤のロビー活動で後れを取った。もともと、ほかの候補都市ほど世論が盛り上がらず、開催支持率の低さについて質問が出るなど、マイナス要素をぬぐい切れなかった。昨夏の北京五輪から8年後のアジア開催となることも、不利に働いたようだ。88年名古屋、08年大阪に続き、切り札だった東京でも夏季五輪招致は3連敗となった。
以前から、今回敗れた場合、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は2020年夏季五輪への挑戦をほのめかしていた。この日、JOCの福田富昭副会長は「もっと世界的な外交をしっかりしないといけない。敗因はこれから分析したい。東京にぜひもう1回、立候補してもらいたいと思います」と再挑戦の可能性を示した。


