<競泳:競泳国際大会代表選手選考会>◇2日目◇10日◇静岡・浜松市総合水泳場

 男子200メートル背泳ぎで、日本記録保持者の入江陵介(21=イトマン)が1分54秒08で派遣標準記録を軽々クリアし、7月世界選手権(上海)の代表をつかんだ。昨季の世界ランキング1位に相当する記録で、高速水着で泳いだ09年東アジア大会以来の54秒台。「ニッポンに入江あり」を世界に発信した。女子50メートルバタフライで加藤ゆか(東京SC)が26秒07の日本新記録を樹立するなど、計6選手が上海切符を内定させた。

 不遇の昨季を乗り越え、入江が再び世界の中心に躍り出た。力みのない、しなやかな泳ぎで積極的に飛び出した。前半の100メートルを日本記録と同ペースの55秒62で入ると、後半も58秒台でまとめた。53秒台には及ばなかったが、昨年の世界1位ロクテ(米国)の1分54秒12を上回った。筋トレ効果もあって体重は2キロ増の64キロ。持ち前のしなやかさにパワーが加味された。

 通常水着では初の54秒台。昨季なら世界最高にも「去年は去年。アメリカはもっと上げてくる。53秒台が出ればなぁ。うれしい半面、精神的に微妙」と苦笑した。

 昨年3月に右足首を捻挫し、その影響から昨季ベストは55秒台止まり。1月には世界記録保持者ピアソルが引退。自身も水着の問題で未公認ながら「元世界記録保持者」だけに、盟主奪回の思いは強い。「自分の感覚とタイムが一致してる。世界の一番上に日の丸を揚げたい」。入江スマイルが輝いた。【佐藤隆志】