スノーボードのハーフパイプで、10年バンクーバー五輪代表の国母和宏(24=クルーズ)が、来年のソチ五輪出場を目指していないことが26日、分かった。全日本スキー連盟の萩原文和スノーボード部長が「選手としてもう1度目指してほしかったが、本人から目指さないと言ってきた」と明らかにした。5月に直接会った際、伝えられたという。

 国母はバンクーバー五輪で、選手団公式服装の着こなしが問題視され大きな騒動になった。一方、五輪では8位入賞を果たしていた。その後はプロ選手として、米国で人気のXゲームなどで活躍。実力は折り紙付きだ。

 さらに今シーズンは選手としてではなく、コーチとしてスノーボードの代表チーム入りするプランが飛び出した。萩原部長によると、国母本人が「スノーボードが、社会的に認知されるような形で貢献したい」と話したという。現役選手がスタッフ入りをすることは異例だが、関係者によると5月29日の全日本スキー連盟の理事会で、既に承認されたコーチ人事の中に名前が入っているという。

 今後も、プロとしての活動は継続する予定だが、テクニカルコーチとして代表選手に指導する機会が出てくる可能性がある。古川年正競技本部長も「技術コーチ(になる)と聞いている。必要なときに(練習などに)来てもらうのではないか」と話した。

 ◆国母のバンクーバー五輪メモ

 バンクーバー到着時に、公式スーツのシャツのすそを出し、ズボンを下げた「腰パン」姿で登場。服装の乱れとして問題になった。翌日の入村式を自粛し、その後の会見では「反省してま~す」と発言した。全日本スキー連盟が国母の出場辞退を決めて橋本聖子団長に申し入れたが、国母と直接会談した団長の判断で、出場辞退を回避。決勝では大技ダブルコークの着地に失敗したが、8位に入賞した。