ノルディックスキー・ジャンプ女子のエース高梨沙羅(18=クラレ)が、個人戦で4連覇がかかる世界ジュニア選手権(2月1~8日、カザフスタン)の出場を辞退することが8日、分かった。同7日の団体戦とW杯ルシュノブ大会(2月7~8日、ルーマニア)の日程が重なるためで、高梨は出場を強く希望したが、全日本スキー連盟(SAJ)が個人戦のみの出場を認めなかったため、辞退せざるを得なかった。
18歳の女王が苦渋の決断を下した。高梨は出場を強く願っていた世界ジュニア選手権の辞退を決めた。5日の個人戦は問題なく出場できるが、7日の団体戦はW杯ルシュノブ大会と重なるため、両方の出場は不可能。そこで個人戦に出場した後、団体戦を欠場し、W杯に参戦することをSAJに打診したが、1種目のみの出場は認めないとの判断で、泣く泣く断念することになった。
同大会の代表発表は今月中旬以降だが、実績を考慮すれば間違いなく選出される。高梨側は今季の日程を受け、昨年の早い段階からSAJに「個人戦のみの参戦で」と懇願してきた。世界ジュニア選手権の個人戦は男子でも2連覇が最高で、4連覇(出場は20歳まで)すれば歴史的な快挙なだけに、どうしても取りたいタイトルだった。
SAJの斉藤智治ジャンプ部長らと話し合いを持ち、自費での参戦でもと打診したものの、SAJは最後まで首を縦には振らなかった。W杯は、複合の荻原健司(現北野建設スキー部部長)に並ぶ個人3連覇がかかっている。しかも今季は昨季の18戦から減り14戦。7、8日の2戦を欠場することは大きな痛手になり、こちらの大記録も途絶える危険がある。
結局、W杯の出場を決め、4連覇の夢は消えることになった。SAJの斉藤部長は「昨季からのSAJの方針。チームで動いているので1人だけ違う動きをするのは他の選手の士気にも関わる。例外を作りたくない」と説明した。
W杯では女子史上最多の24勝を積み上げた。昨年2月のソチ五輪では4位。メダルを逃したとはいえ、マイナーだったジャンプ女子をメジャースポーツに押し上げた功労者だ。他の選手はその背中を追って練習を重ねている。団体戦を欠場したからといって士気が下がるかは微妙なところ。しかも高梨の枠に他の若手選手が出場すれば、底上げにもつながるはずだ。
女王は今日9日、W杯札幌大会の公式練習に参加。明日10日からの2連戦に備える。複雑な気持ちを封印し、再び世界の頂点に立てるのか注目される。
◆ノルディックスキー世界ジュニア選手権
国際スキー連盟(FIS)が主催する16~20歳の世界選手権で、現在は毎年、男女のジャンプ、男子の複合、男女の距離が実施されている。ジャンプの日本勢メダリスト第1号は79年会沢仁康の銅で、男子は金1銀4銅1の計6個獲得。06年から採用の女子は11年伊藤有希が銅、12年から高梨沙羅が3連覇中。団体は男子が銀2銅2、女子は金2。
◆高梨の今季成績
初戦は、12月5日のW杯リレハンメル大会(ノルウェー)で3位。帰国後、同14日の国内開幕戦となった吉田杯に出場。2回目に右のスキー板がジャンプ台から落下するアクシデントはあったが2位に入った。15年最初の大会となった4日の雪印メグミルク杯では、1回目2位から逆転で今季初優勝を飾った。


