元小結の海鵬(37=八角、本名・熊谷涼至、青森県深浦町出身)が19日、大相撲名古屋場所9日目が行われている愛知県体育館内で、引退会見を行った。先場所は西十両14枚目で3勝12敗と負け越し、今場所は西幕下10枚目に降格したが、初日から休場。中日の前日18日に引退を発表していた。

 青森・鰺ケ沢高-日大を経て、96年初場所に初土俵。177センチ、120キロの小兵ながら左四つ、下手投げを得意に、押し相撲でも力を発揮。01年秋場所で武蔵丸から初金星を挙げ、初の三賞受賞(技能賞)。翌九州場所で自身最高位の小結に昇進した。

 約14年の土俵生活を振り返り「小さいころから夢だった結びで相撲が取れたし、この世界に入って本当に良かった。思い出の一番は横綱武蔵丸に勝った相撲」と海鵬。今後は谷川親方として「我慢して何にでもあきらめない力士を育てたい」と後進の指導にあたる。