大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査が27日、東京・両国国技館で行われ、初のエストニア出身として注目される三保ケ関部屋の把瑠都凱斗(ばると・かいと=19)入間川部屋の北欧司音(きたおうじ・おと=19)が受検した。

 この日、2人のしこ名が決まった。三保ケ関親方は把瑠都凱斗の意味を「ここ日本で素晴らしいものをつかんで、母国に凱旋(がいせん)してもらいたい」と表現。197センチ141キロ。握力右81キロ左80キロ、背筋力230キロと筋力も抜群だ。すでに部屋の幕下と申し合いをこなし「けいこは私を強くするから好きだ」と、言ってのける。「相撲はビューティフルスポーツ」とも話す把瑠都は、フランス語、ドイツ語、英語、ロシア語、エストニア語の5カ国語を操り、どこまでも明るく、陽気に振る舞う。

 おとなしい北欧司も198センチ137キロの体格。握力測定では器具に指が入りきらず小指を外して計測して右70キロ左75キロ。足のサイズも35センチとすべてが規格外で「将来は横綱になりたい」と顔を赤らめ遠慮がちだった。自信満々の把瑠都と、礼儀正しい北欧司。2人の大巨人コンビが、エストニア旋風を巻き起こす。【井上真】(2004年4月28日付・日刊スポーツ首都圏最終版)