7月の名古屋場所の新弟子検査で、約3リットルの水をがぶ飲みするなどして体重67キロの基準ぎりぎりでクリアし、話題となった序ノ口の育盛(そだちざかり、17=式秀)が引退した。師匠の式秀親方(元前頭北桜)が明らかにした。13日に引退届を提出していた。

 「すくすく育つように」と名付けられた育盛は、検査直前まで63キロしかなかったが、おにぎり4個やうどん2杯、300ミリリットルの豆乳2本に、2リットルの水入りペットボトル1本半を飲み干して、なんとか体格検査をクリア。同場所で前相撲を取り、秋場所から番付に載ったばかりだった。

 親方によると、体調を崩して両親とともに大阪の実家に戻っていたが「引退させてください」との申し出があったという。秋場所の1番相撲は不戦敗となり、通算0勝1敗で力士人生に幕を下ろした。「体力の限界ですね。これからというときに残念ですが、体調のことなので仕方がない。短かったが、稽古もよくやっていたんですよ。経験を生かして、第2の人生を頑張ってほしい」と話した。