外国出身力士で初めて優勝した元関脇高見山の東関親方(64)が、3年以上も優勝から遠ざかる日本人力士に奮起を促した。6月16日に65歳を迎えて協会を15日に定年退職する。千秋楽の24日、本場所での最後の木戸(切符切り)での仕事を終え「今は外国人がいっぱいいる。日本人力士も頑張れば、もっと相撲が面白くなる」と話した。

 72年名古屋場所で外国人力士として初めて賜杯を手にした。日本人力士の中で孤軍奮闘した。しかし、最近は日本人と外国出身力士の形勢が逆転したことを、気にしていた。日本人力士の優勝は06年初場所の大関栃東以降なく、同親方は今は日本人として日本人力士の台頭を望んでいた。

 元横綱曙ら5人の関取を育てたが、99年九州場所後、高見盛が初めての日本人関取になると「部屋創設14年の中でも格別の思いがある」と言葉をかみしめた。「(愛称の)ジェシーと呼ばれるより、渡辺さんと呼ばれたい」と話したこともある。それだけ日本人への愛情が深い。

 現役20年、親方25年。常に信条は「辛抱、努力、忍耐」。会見では45年を振り返って「けいこはつらい、一番苦しかった思い出。うれしかったのは新十両、新入幕の敢闘賞、金星、優勝…いろいろある」。今後は「ハワイやニューヨーク、1カ月ぐらい旅をしたい」と話した。相撲観戦は?

 と聞かれると「マス席は狭いから。でも時々は見たい」。相撲界を離れ、「渡辺さん」になる同親方は、最後まで笑顔だった。