二所ノ関一門の重鎮は、貴乃花親方の行動に困惑をみせた。総帥で、立候補予定の放駒理事(61=元大関魁傑)は「(候補を絞ろうという)話に乗ってもらえなかった。穏便にと思ったが。(一門として)候補を決められなかった」と、顔を曇らせた。「本人の意志は固い。だれにも止められない」と、一門としての説得は無理と判断している。
同じく理事候補の二所ノ関理事(61=元関脇金剛)も「(一門会で)『どんな結果が出ても私は従えない』と言っていた。貴乃花親方を支持する人もいるし、どうするか」と首をひねった。処分については「ない、ない」と否定。「一門を出る」という貴乃花親方の宣言に、どう対応するかも決められない状態だ。
貴乃花親方は「一門に迷惑がかからないように」と離脱を表明したが、逆に結束を揺るがす事態に。新たに立候補予定の鳴戸親方(元横綱隆の里)は「気持ちは変わりません」とし、貴乃花親方の行動には「本人の心の問題だから」と話した。ただ、一門の票は29票。当選には10票以上必要で貴乃花支持が広がれば「3人出すかは決められない」(二所ノ関親方)と、理事3人の枠を手放す事態も考えられる。「今後は貴乃花親方を含めて3人(の候補)に絞ることはない」と放駒親方は話した。
一門内のある親方は「まだ若いんだからもう1つ、2つ待った方がいいのに」とつぶやいた。2年後には放駒、二所ノ関両親方も定年間近。多くの横綱、大関を輩出、親方になっている同一門で世代交代が進む可能性は十分ある。貴乃花親方が総意で推されることも考えられる。それだけに、一門の親方衆の間には戸惑いとショックが広がった。【赤坂厚】

