横綱審議委員会は示談の成立有無にかかわらず、横綱朝青龍(29=高砂)の暴行事件に対して厳罰を求める方針だ。28日、鶴田卓彦委員長(日本経済新聞社元相談役)と沢村田之助委員(歌舞伎俳優)が、格闘技である相撲を生業にする者が一般人に手を出したこと、隠ぺいのために虚偽の報告をしたことと、協会の対応の遅れを問題視した。

 鶴田委員長

 今日の報道を見ると、聞いた事実と違う。午後に協会に電話して質問した。協会からは動きがあれば報告があると思う。一般の人を殴ったこと自体がよくない。示談は関係ない。協会の決めた処分が妥当ならばよいが、十分でないとなれば横審が差し戻すこともある。

 25日の横審では殴られたのが身内のマネジャーということもあり、次に問題を起こせば引退勧告ということで了承していた。裏切られた形だけに、協会に迅速な対応を求めた。

 沢村委員

 臨時横綱審議委員会を開いて、引退勧告に準じることをすべきだと思います。昭和20年代の横綱前田山が大阪場所を休場して野球観戦したときは、すぐに協会が引退勧告を出した。それぐらいの厳しさがあっていい。協会の対応が遅すぎる。

 示談うんぬんとは次元の違う問題に発展しそうだ。