<大相撲夏場所>◇8日目◇16日◇両国国技館
把瑠都(25=尾上)が大関として初黒星を喫した。東前頭3枚目の鶴竜(24)に、左腕をたぐられて押し倒され、土俵下へ背中から落ちた。初日から7連勝で周囲からは優勝を期待され始めたことが、重圧となって上位戦を前に痛い1敗。幕内では先場所に続く、自身2度目のストレート給金はならなかった。
把瑠都が崩れ落ちた。立ち合いから腰が引け、遠慮がちに突き放しにかかったが鶴竜に体を寄せられた。それでも強引に突き放そうとしたが、左腕をたぐられ、最後は押し倒された。198センチ、187キロの巨体は、バランスを崩して土俵下に背中から落ちた。初日からの連勝は7で止まり、大関として初黒星。「新大関場所で負け越す人もいる。あと1つ勝てば勝ち越し。勝ち越さなきゃと意識した」と、重圧が敗因の1つだったと明かした。
幕内では自己最高の14勝を挙げた、先場所のような思い切りがない。鶴竜には先場所で変化されたとあって「迷った」と、中途半端な立ち合いになった。7日目こそ「(今場所)一番いい相撲」と自画自賛したが、それ以外では、すべて内容に不満を漏らしていた。この日は「相撲が難しくなってきた」とポツリ。頭を指さして「ここが固くなっている」と、考えすぎと十分理解していた。武蔵川理事長も「上体が高い。先場所とは違うのかな。今日はこわごわと取っている感じ」と、注文を付けた。
悪いなりに連勝してきた取組内容に反し、日に日に盛り上がる初優勝への期待が重圧になっていた。6月12日に大関昇進と、建設中の新しい部屋の完成披露を兼ねたパーティーを実施するが、初優勝が加わればトリプル祝賀パーティーとなる。師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)も「もうパーティーの看板を作っているが、優勝したら作り直さないといけない」と心配するほどだった。
それでも把瑠都は「大関は常に勝つことが求められる」と口癖のように話し、重圧をはねのけようとしてきた。取組後は支度部屋の風呂に、通常より大幅に長い約15分も入った。「チ○ポを洗ってた」と、報道陣を笑わせたが、実際には験直しも兼ねて、髪を洗っていた。「あと半分頑張ろう」と、自らを励ますように明るく振る舞い、引き揚げた。【高田文太】

