大関琴光喜(34=佐渡ケ嶽)が22日、警視庁組織犯罪対策第3課から任意で事情聴取された。野球賭博にかかわり、恐喝を受けていたという20日発売の週刊新潮の記事について、説明を求められた。大関日馬富士(26)を破って勝ち越しを決めた後、東京・両国国技館から桜田門の警視庁本庁に移動。琴光喜は取材陣には「まったく知らないこと」と全面否定し、この日も同課に同様の説明をしたもようだが、現役力士が場所中に警察に呼び出されること自体が異常事態。捜査の行方が注目される。

 現役大関の琴光喜が、警察に呼び出された。相撲関係者によると、打ち出し後、警視庁の任意での要請を受け、両国国技館から車で警視庁本庁に移動したという。

 警視庁が呼び出した目的は、野球賭博にかかわり恐喝を受けていたという週刊新潮の報道の事実確認だった。捜査関係者は「今回は野球賭博の被疑者でもなく、恐喝の被害者ということでもなく、あくまで報道にいたるまでの経緯を求めたもの」と説明。琴光喜は要請を受けて、警視庁の捜査員に事情説明したもようで、午後10時前には警視庁を後にしたようだ。

 週刊新潮によると、琴光喜は野球賭博に手を染め、元力士の暴力団関係者から口止め料を求められている。その額は約1億円とされるが、琴光喜自身はこれまで「まったく知らないこと。信じられない」と報道を全面否定していた。

 もっとも、この報道を受けて警察が動きだした事実は重い。暴力騒動で現役引退に追い込まれた元朝青龍関さえ、いまだに事情聴取を受けていない。その状況下、現役力士、しかも大関が場所中に警視庁に足を運んだことは異常事態だ。ある相撲協会関係者は「警察は琴光喜が野球賭博をしたという疑いよりも、何らかの形で恐喝の対象になったという疑いを強く持っているようだ」と説明した。

 琴光喜はこの日、日馬富士を押し出し、勝ち越しを決めた。週刊新潮がこの報道をすることが分かった19日以降、1勝2敗と精彩を欠いていたが、日馬富士に対しては時間前に立ち、左を差しながら前に出て、8歳下の大関を圧倒。支度部屋ではホッとした表情を見せながらも「向こうが気合入れて仕切って、来そうな感じはあった。(時間前に立ったのは)記憶にないから、生まれて初めてじゃないかな」と淡々と話していた。

 しかし、打ち出し後には、やはり「生まれて初めて」の警察から事情聴取を受けてしまった。日本相撲協会の陸奥生活指導部長(元大関霧島)は、既に週刊新潮の記事で所属力士らが取り上げられた阿武松親方(元関脇益荒雄)と琴光喜の師匠佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)らに事情を聴いているが、両親方とも当事者が関与を否定したことを報告している。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)はこの日は対応しなかったが、同協会として、今回の問題について場所後に琴光喜本人からも事情を聴き、生活指導部特別委員会を開くことを検討している。