鳴戸部屋の出稽古が解禁となった。2日、一門を越えて東京・足立区の境川部屋(出羽海一門)で出稽古を行った。先代鳴戸親方(元横綱隆の里)が死去した11年11月に現師匠の鳴戸親方(元前頭隆の鶴)が部屋を継承して初めて。これまでは「出稽古に行かなくても強くなれる」の先代の教えや、関取衆が増えたこともあって、二所ノ関一門の連合稽古以外に出向くことはなかった。

 前夜いきなり師匠が「明日境川行くから」と告げた。春場所前に右膝を手術した若の里を除く、稀勢の里、高安、隆の山が参加。稀勢の里は「活気のあるところにいってみるのもいいこと」と説明を受けた。境川部屋の豪栄道ら4人に加え、玉ノ井部屋から新入幕の東龍ら2人も集結した。

 豪栄道と三番稽古を行った稀勢の里は「40番くらいとれたし、良い稽古になった。刺激になるし、いいことですよ」と笑顔を見せた。申し合いも佐田の富士が頭を裂傷し、富士東が鼻血を出すほど活気にあふれた。高安も「20番くらいできたし、充実した稽古でした。たまには気分も変わっていいかもしれませんね」と喜んだ。鳴戸親方は「またどこかにいくぞ」。出稽古が鳴戸部屋をさらに飛躍させそうだ。【鎌田直秀】