この1週間の巨人打線は左の先発投手に苦しんだ。9日宮城、10日山崎福、11日本前、そして小島といずれも打線は低調だった。4投手に対して88打数13安打、打率1割4分8厘では1勝3敗もうなずける。

左投手に苦戦している試合で共通するのは、ストレートにタイミングが合っていないことだ。宮城に右打者が内角を意識させられ、手玉に取られたことは前回の評論で触れているが、傾向として4投手にはほぼ同じパターンで打ち取られている。

どの右打者も内角を意識するあまり、外角ストレートを狙おうという気配が感じられない。この日の小島に対しても、センターから右方向へ外角ストレートを打ったのは7回の北村だけ。捕手の視点から言えば、外角ストレートに反応しなければ、ずっとそこを攻めて行ける。私が見た範囲では、巨人打線の外角に対する反応の薄さはかなり気になるレベルだった。

左腕が先発した試合で、先発が降板した後、右の中継ぎ陣に対しては4試合で計30打数10安打、3割3分3厘と打ち込んでいる。だから、左腕対策が急務だという危機感がぼやけてしまっているのかもしれない。

金曜日からペナントレースが再開されるが、今の打線の状況は決して楽観視できない。誰かが明確な外角狙いの意図を示しながら、たとえ内角を捨ててでも、外角へのボールをセンターから右方向へ打つなど、チームとして取り組む必要性がある。

阪神とは7ゲーム差に開いた。交流戦の最後に、左投手に苦戦するという課題は、他球団も分析して同じように攻めてくるだろう。しっかり対策を練り週末を迎えるべきだ。(日刊スポーツ評論家)

ロッテ対巨人 9回表巨人2死一塁、右飛に倒れ敗れた坂本は渋い表情で引き揚げる(撮影・垰建太)
ロッテ対巨人 9回表巨人2死一塁、右飛に倒れ敗れた坂本は渋い表情で引き揚げる(撮影・垰建太)