阪神にとっては、残念なゲームになった。矢野監督は打線のテコ入れで、刺激を与え、流れを変えるべく手を打った。マツダスタジアムで相性のいい西勇輝投手(30)が先発で、ロースコアのゲームプランで、機動力や代打を使い、1点を取っていくはずだった。それだけに2回の大量失点は大誤算だった。

序盤の西勇は「らしさ」を欠いていた。2回に申告敬遠により、2死一、二塁で投手玉村を迎えた場面。初球は低めのフォークで空振りを奪った。相手は思い切り振ってくる状況で、2球目のシュートが高めに浮いた。結果的には打ち取った打球でアンラッキーな内野安打になったが、バットに当たれば、事が起きる。2点目は簡単にはあげられないところで、不用意な1球だった。

菊池涼には初回にシュートを意識させられなかったこともあり、2回には外角への浮いたスライダーを捉えられた。本来の西勇はコースと高さを間違えない投手。ボール半個分の出し入れで勝負でき、ランナーを置いた時こそ、そういう投球ができる。そういう面では、らしさがなかった。3、4回とキレのあるボールを見せていただけに、もったいなかった。

巨人と1・5ゲーム差になったが、今は折り返し地点でまだ関係ない。阪神も8連勝したように、チーム状態がよければ、連勝する。相手がどうこうよりも、こういう時こそ自分たちの戦いをやるために、どうするかを考えなければならない。この日は佐藤輝らを休ませて、他の選手にチャンスを与えた。これは局面を打破するための1つの策だ。彼らが活躍すれば、ラッキーボーイになる。ロハスや山本、北條にヒットも出たし、控え選手を含めて、やはりチーム力はある。試合終盤にはレギュラーを下げて、休ませた。そういう意味では、気持ちを切り替えて、2戦目を戦うことが大事になる。(日刊スポーツ評論家)

2回裏広島2死一、二塁、西勇は玉村に投前内野安打を打たれ汗をぬぐう(撮影・上山淳一)
2回裏広島2死一、二塁、西勇は玉村に投前内野安打を打たれ汗をぬぐう(撮影・上山淳一)