阪神が球団初の開幕6連敗を喫した。2点リードを守れず逆転負け。日本ハムがこの日連敗を5でストップさせ、12球団で阪神だけが未勝利となった。日刊スポーツ評論家の大石大二郎氏が解説した。

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阪神先発の秋山は初回から飛ばさざるを得なかったように映りました。守護神を任せるはずだったケラーが早くも2軍に降格。実績のある中継ぎ投手は岩崎しかいません。苦しい台所事情の中、なんとか無失点で8回までつなごうと考え、もしかしたら完投、完封で投げきることさえ狙っていたのかもしれません。

球数だけを見れば、無安打無失点で4イニングを投げ終えた時点でわずか50球。ただ、抜くところを抜きながらの50球とすべて力を入れた50球とでは当然、疲労度が違ってきます。結局は5、6回にボールが甘く入って3失点。リリーフ陣が手薄になっているチーム状況が、先発投手にも重くのしかかっているように感じました。

一方の打線には前向きな兆候も見られました。先制した2回を例にあげれば、5番大山のセンター返し、7番中野、8番梅野の逆方向への安打から得点しています。雑な大振りにならず、コンパクトなスイングでつなぐ。明確な意思が打線全体から感じられました。

調子が上がっている大山はこのまま5番を任せられそうです。開幕4戦目までの5番糸原であれば、相手バッテリーは「5番でワンヒットでもOK」と余裕が出るもの。5番大山は4番佐藤輝を簡単に歩かせづらくさせられる利点もあります。あとは3番マルテの調子が上がってくれば、打線はつながりを取り戻せるのではないでしょうか。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 7回裏広島、阪神3番手のアルカンタラ(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 7回裏広島、阪神3番手のアルカンタラ(撮影・加藤孝規)