オリックスは先発の柱、宮城、山下の2本も欠いたが、この試合運びを見ると、首位固めすらちらついてくる。

宮国がプロ初登板初先発で3回を2失点。おそらく一種のブルペンデーという位置づけと想像するが、宮国は十分に役割を果たした。ストライク先行、クイックもいい、ピッチングも丁寧。率直に楽しみな投球術を備えていた。チームにもかなり明るい材料だ。

そして、4月終了時は防御率5・38とリーグ最下位だったリリーフ陣が、少しずつ本来の力を発揮しはじめている。博志、吉田、寺西、椋木がしっかりつなぎ、最後は1発を浴びたものの、抑えマチャドが締めて1点差を逃げ切った。

吉田が復帰したことはプラスに感じる。さらに、宇田川も3日にファームで登板。4月で5・38だった救援防御率が、5月はここまで2・01と改善されている。チームの白星とともにこちらも復調のめどが立ちつつある。

ただしだ、1点差で競り勝ったが、もっと楽に勝てる試合でもあった。より高いレベルでのディフェンス力を、今のオリックスには求めることができる。その筆頭にいるのが太田だ。私はいずれ侍ジャパンの候補に入ってくる存在に感じる。

となれば、より高いものを求めたくなる。3回の清宮幸の鋭い打球を、太田はグラブに当ててセンター方向へはじいた。確かに難しい打球だった。アンツーカーの後ろにポジションを取っていても、あの打球速度を処理するのは厳しいだろう。それでも、そこの球際で踏ん張れる守備力を期待したい。

同様に8回、代走五十幡の盗塁に対して、太田は二塁ベースに入る。捕手若月の送球は低投だった。若月の送球が乱れたのだが、それでも太田には三進を許さない判断がほしかった。あのハーフバウンドは体で止めてほしかった。結果、得点は入らなかったが、俊足五十幡を三塁に進めず、もっと楽に終盤を締めることができたと感じる。

先発が安定し、リリーフのスタッフがそろえば、今のオリックスはかなり手堅い。かつ、守備面でスキのない守りが促進されれば、この強さはリーグを牽引(けんいん)する本物と言える。(日刊スポーツ評論家)

オリックス対日本ハム 1回表の日本ハム打線を抑え、笑顔で若月健矢(左)とタッチを交わすオリックス宮国凌空(撮影・前田充)
オリックス対日本ハム 1回表の日本ハム打線を抑え、笑顔で若月健矢(左)とタッチを交わすオリックス宮国凌空(撮影・前田充)