熱い場面で使ってもらいたい-。そんな思いが鳴尾浜で自主トレを行う左右のリリーバーから伝わってくる。29歳左腕山本と28歳右腕の伊藤和雄だ。

 山本は昨秋からサイドスローに挑戦中。昨年末には動作解析も行い、自分に合う投球フォームを固めてきた。春季キャンプからアピールを続けるために、体の仕上がりも例年より早い。「(体重移動など)一連の流れを考えてフォームを作ってきた。自分には時間がないので生き残る技を考えないと」と意気込む。

 山本のブルペン投球を鳴尾浜で見た高橋2軍投手コーチが「ケツに火がついた感じがいい。(今季は)やらないとという自覚が伝わってくる」と話すほどだ。

 伊藤和は課題のリリース位置を意識してオフを過ごした。「(ボールを)離す位置が高いと言われることがある。前で離せるようにしたい」。ある首脳陣は「球持ちが良ければ、桑原みたいにブレークするかも」と伊藤和を評価している。

 昨季、マテオとドリスの助っ人コンビに加え、桑原、岩崎らのフル回転もあり、NPB初となる「60試合クイーンテット」が誕生した。その“新顔”になるべく、今季に懸ける左右のリリーバーが、2月の球春到来に備える。【阪神担当 真柴健】

 ◆真柴健(ましば・けん)1994年(平6)8月25日、大阪府池田市生まれ。京産大ではプレー経験のないラグビー観戦に熱中。白熱する試合を体感し、グラウンドで泣いたこともある。学生時代にはオーストラリアやイタリアに訪れ観戦するほど夢中になった。17年入社、同年5月から阪神担当。今季で2年目を迎える180センチ、72キロの23歳。