<パCSファイナルステージ:西武13-5ソフトバンク>◇第2戦◇18日◇メットライフドーム

10点を取って先勝したら、13点を取られてしまった。「下克上」を誓う工藤ソフトバンクは、リーグVへ駆け上がった獅子の勢いそのまま、豪打の餌食となってしまった。試合後。移動のバスへと続くメットライフドーム名物の長い階段を上り終えた達川ヘッドコーチは息も切れ切れに言った。「典型的な負けじゃったよ。ここ(メットライフドーム)での負けパターンやったわ」。大乱調の先発ミランダを含め4投手で10四死球。6点が四死球がらみとなれば、強力打線の獅子にさらにエサを与えているのも同然か。力がないのか、警戒心が微妙な制球を乱していったのか…。いずれにしても力負けと言わざるを得ない。

今後の不安要素を募らせるわけではないが、11安打を浴びせられた中でも、打たれたくない一打があった。7回1死一、二塁から秋山に許した右前タイムリーだ。初戦の秋山は4打数無安打。この日も6回までは4打席無安打(2四球)。初戦の8回に中飛に仕留めていたサウスポー嘉弥真は厳しい表情で言った。「正直、(秋山には)ヒットが出てほしくなかったですね。今まで以上に警戒しないと」。シーズン終盤の対決で逆転3ランを打たれていただけに獅子のリードオフマンの“目覚め”は避けたかったのが本音だろう。「昨日(17日)は抑えましたが、(西武が)負けゲームだったし、まだまだ本気の集中力じゃなかった。しびれるような場面でしっかり抑えたいです」と、嘉弥真は口元を引き締めた。

「秋山封じ」…。今後の戦いのキーになりそうだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】