プロ野球のドラフト会議が11日に行われる。

今年は担当球団DeNAの2位指名選手に注目している。なぜなら、セ・リーグの新人王を争う牧秀悟内野手(23)が、昨年の2位だからだ。広島栗林良吏、阪神佐藤輝明といった新人王のライバルは1位指名だったが、2位の牧が堂々たる成績で対抗しているのは痛快だ。昨年はどの球団も、牧を指名するチャンスはあった。今年も牧のような“大当たり選手”が潜んでいるのか、非常に楽しみだ。

DeNAは9日の中日戦に敗れた。ドラフト会議前日である10日の順位が、最下位となることが決まった。このため、今年は2位(2巡目)を最初に指名できる。2位以下に抽選はなく、ウエーバー順で指名を行っていく。昨年の牧は、2位指名で6番目。1位を含めると、会議全体で18番目の指名選手だった。今年のDeNA2位指名は全体13番目。1位級評価の選手が指名できそうだ。

球団関係者によると、昨年の牧指名は望外の喜びだった。シミュレーションでは、ソフトバンクがポスト松田として指名するのではないかと予想していたという。ソフトバンク以外でも、まさか18番目まで牧が残っているとは考えにくかったのだ。DeNA進藤達哉編成部部長は10日、スカウト会議後に「どこのタイミングでどういう選手が残っているか。当日の流れの中でどうなってくるか。1位が決まらないと下が決まらない」と話した。ドラフトは、必ずしも実力順に指名されるわけではない。各球団の補強ポイントや順位、年齢構成などが、複雑に絡み合う。

ちなみに、DeNAが2位で全体13番目の選手を指名するのは、12年以来9年ぶりとなる。この時は通算31勝30敗40セーブの三嶋一輝投手を指名している。この年は1位は日本ハム大谷翔平(現エンゼルス)をはじめ、阪神藤浪晋太郎、ソフトバンク東浜巨、中日福谷浩司、巨人菅野智之、ヤクルト石山泰稚、西武増田達至らがいる、超がつくほど「大豊作年」だった。三嶋も大学4年の秋は東京6大学で活躍していたが、DeNAが2位で獲得できたのは幸運だった。さらに言えば、全体13番目の三嶋以下にも、17番目に広島鈴木誠也、18番目に楽天則本昂大、19番目にヤクルト小川泰弘が潜んでいた。ドラフト2位も、両リーグで新人王(則本昂と小川)となるほど多士済々だった。

さて、今年は「三嶋2世」「牧2世」が指名できるか。

【DeNA担当=斎藤直樹】

2020年10月26日 松本第一野球部から花束が贈られるDeNA2位指名の中大・牧
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2020年10月26日 タオルをバットに見立てスイングするDeNA2位指名の中大・牧
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2020年10月26日 タオルを掲げキャップを被り写真に納まるDeNA2位指名の中大・牧
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2012年10月25日 DeNAから2位指名を受けた法大・三嶋はDB・スターマンの人形を手にVサインを見せる
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