11年分のもどかしさを打ち破るように、躍動し始めた。開幕2カード目の3月31日西武戦。日本ハム松本剛外野手(28)が、BIGBOSS初勝利の立役者になった。2本の適時打を放ち、4打数3安打2打点の活躍。ウイニングボールは左翼手松本剛に飛び、試合後に新庄監督に手渡した。「うれしそうにしていたので良かったです」。新たな指揮官との出会いに、大きな影響を受けている1人だ。
走塁での積極性が、格段に増した。この日、2死走者なしから左前打で出塁すると果敢に二盗を決め、続く近藤の適時二塁打の間に本塁生還。一塁走者となれば、左前打で迷わず三塁を陥れたシーンもあった。盗塁数は先発8試合で3盗塁(4月7日時点)。17年のキャリアハイ6盗塁に迫る勢いを見せている。
松本剛 ボスも「走ろう」と言っている。なかなか走れる選手が多くはないと思っているので、僕もチャンスがあれば思いきっていっていいと言ってくれている。そこの後押しが、すごく大きい。盗塁に関しては、気持ちがすごい大事な部分。「思いきりいけ」と言ってくれているので、そこはもう思い切ってスタート切っています。
これまで「足」で目立つシーンは、ほとんどなかった。内外野を守れるユーティリティーさと走攻守で堅実さが売りも、レギュラー定着へ足踏みしてきた。BIGBOSSから「初球からいって別に凡打してもいい」「3ボールから打ってもいい」など背中を押され、意識は変わった。失敗を恐れない「攻めるプレー」で、存在感を放ち始めた。
春季キャンプ後に2軍降格したときには「ボスは1年間、トライアウトと仰っていた」と切り替え、開幕へ照準を定めた。その後、開幕戦で4番に抜てきされ、プロ11年目のスタートを切った。「大した実績を残していないので、本当にチームのために、という思いは強いです。出たところで結果を残す。それだけ」。肝が据わった姿に、新たな魅力を感じて止まない。【日本ハム担当 田中彩友美】




