<ソフトバンク7-3オリックス>◇3日◇ペイペイドーム

ドーム球場を、雲ひとつない青空が覆っていた。仙台で楽天にまさかの連敗。杜(もり)の都で雨と泥にまみれた藤本ホークスだが、博多どんたくのお祭り気分にも背中を押されてトンネルを抜けた。

やはり威力満点だ。柳田が、同点の6回に放ったグランドスラム。オリックス山本に痛打を加え、KOした。珍しく右手でガッツポーズをつくってダイヤモンドを回る姿を見て、同じような光景を思い出した。

6回裏ソフトバンク1死満塁、柳田は左中間に満塁本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)
6回裏ソフトバンク1死満塁、柳田は左中間に満塁本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)

25年前の5・3近鉄4回戦。同じ福岡ドーム(現ペイペイドーム)で、背番号7が4回に山崎からメモリアル弾を放った。「今世紀最後の大物」と形容されたダイエーの新人井口(現ロッテ監督)のプロ初本塁打の満塁弾である。

97年5月3日、近鉄戦の4回、初打席を迎えたダイエー井口は左越え満塁本塁打を放つ
97年5月3日、近鉄戦の4回、初打席を迎えたダイエー井口は左越え満塁本塁打を放つ

世界のホームランキング、ソフトバンク王球団会長は、本塁打の魅力を「誰にも邪魔されない唯一の時間」と言った。1日違いだが、17年5月2日の西武戦(ヤフオクドーム)では甲斐がプロ初アーチの満塁弾。昨年9月5日のオリックス戦(ペイペイドーム)では、リチャードがプロ初本塁打となる満塁弾を放った。

今季の開幕戦では新外国人ガルビスが逆転満弾を放ち、チームは8連勝した。「主砲」の1発を起点に再浮上といきたいところだ。【ソフトバンク担当 佐竹英治】