パンチ連打がパンチ力アップにつながるかもしれない。楽天は今月1日から15日まで秋季キャンプを実施。楽天モバイルパークで行われた野手の練習では、「格闘技オタク」を自認する記者の目を引くメニューがあった。川島慶三1軍打撃コーチ(40)のアイデアで取り入れたボクササイズだ。同コーチの甥っ子がボクシングをやっており、その動作を野球に生かせないかと考案したという。
打撃練習の合間に行うサーキットトレーニングの一環として導入。第1ラウンド2分15秒、休憩1分、第2ラウンド2分15秒の流れでコーチの持つミットに、ひたすらパンチを打ち込んでいく。多くの選手は慣れない動きに苦戦。力強いパンチが打てない中、サウスポースタイルからストレート、フック、アッパーとスムーズに強打を繰り出す猛者がいた。
“東北のゴジラ”こと安田悠馬捕手(23)だ。ある日の練習では、雄平2軍打撃コーチ(39)が持つミットに185センチ、105キロの体格から放つヘビー級パンチを次々とさく裂させた。強烈な左は立ち技格闘技K-1で“ハイパーバトルサイボーグ”の愛称で人気を博したハードパンチャー、ジェロム・レ・バンナをほうふつとさせた。雄平コーチも「パンチは一番すごい」「つよ、お前」と驚くほどだった。
昨年末、安田は一時的にキックボクシングを習っていたという。「経験は全然ないです。バリ素人です」と謙遜するが、パンチの威力は明らかにずばぬけていた。練習を眺めている側からすれば、和気あいあいとやっているように見えるが、それがかなり過酷とのこと。「めちゃめちゃきついです。楽しいけど、しんどいです」。体全体に負荷がかかり、ラウンド終了とともに選手たちがしゃがみ込む姿が、今キャンプの日常となっている。
うまく体重を乗せて打たなければ力が伝わらないという点は、打撃にもパンチにも共通する。川島コーチは「(パンチで)腰を入れるとか、ワンツーの『ツー』の時にしっかり真っすぐに最短距離で出すとか、バッティングにつながるなってことで、今回取り入れさせてもらいました」と狙いを説明。力強いパンチを打てるようになり、インパクトのコツをつかめれば、打球の飛距離がぐっと伸びる可能性はある。
楽天の今季本塁打数はリーグ2位タイの104本で、109本を積み上げた同1位オリックスとは5本差だった。今季3本塁打にとどまった安田は「打てる正捕手」を来季のテーマに設定。「(本塁打は)15本は打ちたいと思います」。有言実行なら、来季のチーム本塁打数リーグ1位も見えてくる。ボクササイズ効果でアーチ量産を期待したい。【楽天担当 山田愛斗】




