今季のMLBは、18日と19日のカブス-ドジャースの日本開幕戦(東京ドーム)で幕を開ける。大谷翔平投手(30)と山本由伸投手(26)が所属するドジャースには、2年連続世界一へ向けて頼もしい新戦力が加わった。ドジャーブルーのユニホームに袖を通した、新たな選手を紹介する。第1回は佐々木朗希投手(23)。
電撃的に結婚を発表した2月21日(日本時間22日)、佐々木は照れるような笑みを浮かべる一方で、家庭を持つ1人の男として、そしてド軍の一員としての責任感を口にした。
「公私ともに新たなスタートとなるので、引き続き野球に集中しながら頑張っていきたいと思います」
メジャー挑戦と結婚を同じタイミングで決断した23歳は、顔を上げ、正面を見つめ、決意を語った。
メジャーの公式戦では、まだ1球も投げていない。それでも、キャンプイン直後、ロバーツ監督は開幕投手に指名した山本に続き、第2戦の先発最有力候補として佐々木の名前を挙げた。世界中の野球ファンが注目する開幕シリーズでのメジャーデビュー。期待や重圧を感じても、佐々木は臆するそぶりを一切見せなかった。
「そもそも開幕を日本で迎えること自体がそんなにあると思わないですし、それをルーキーのシーズンで迎えられることもなかなかないと思う。特別なことだと思いますし、そこに向けていい準備ができたらなと思います」
最高の舞台への意気込みを、冷静な口調で明かした。
ロッテ時代の5年間では、完全試合を達成するなど突出した潜在能力を発揮しながらも、規定投球回数に到達したことはない。メジャーは、公式戦162試合に加え、約1カ月間のポストシーズンが続く長丁場。体力面を不安視する声も、当然、耳には入る。
「まずはメジャーリーグで投げてみないと、僕に足りないこと、活躍していく上で必要なことは、まだ分からない。今はまず自分ができること、自分の力を発揮できるように準備をして、自分のスタイルをちゃんと確立させて、その先どう感じるかが大事になると思います」
自らを客観視する姿勢は、これまでと変わっていない。焦って「付け焼き刃」で対処するつもりもない。「日本とは自分の置かれている立場も違う」と自覚するだけに、目先だけではなく、中長期的な視点で、今後の野球人生を見つめてきた。
ワールドシリーズ連覇を目指すドジャース首脳陣にしても、勝つためだけでなく、佐々木育成の重要性は忘れていない。ロバーツ監督は、自らを「完成品ではない」と表現した佐々木の言葉を引用したうえで、さらに続けた。「我々もそう感じている。彼がいろいろな球を交えながらメジャーの打者に投げることによって、自信を増していくことになるだろう」。現時点で、故障明けの選手や新人に適応される年間投球回数などは明らかになっていない。ただ、同監督が「build up(鍛え上げる)」のフレーズを繰り返す通り、今後、佐々木の成長過程は見過ごせない。
言葉も文化も異なる米国で、佐々木は新たに家庭を持ち、世界中から集まった猛者たちに立ち向かう。
「メジャーリーグ1年目でもあるので、(夫人も)お互いもちろん不安もあるんですけど、力を合わせて支え合いながらやっていけたらなと思います」
新背番号「11」とロッテ時代と同じ「R.SASAKI」のアルファベットを背にした「令和の怪物」。東京ドームのマウンドから世界に向けて、大きな翼を広げて飛び立つ。【四竈衛】
◆佐々木朗希(ささき・ろうき)2001年(平13)11月3日、岩手県陸前高田市生まれ。大船渡では甲子園出場なしも、U18高校日本代表候補合宿の紅白戦で高校生最速163キロをマーク。19年ドラフトで4球団の1位指名を受け、ロッテ入団。22年4月10日オリックス戦でプロ野球新記録の13者連続三振を奪い、史上16人目の完全試合を達成。23年に日本人最速の165キロを計測。23年WBC日本代表。192センチ、92キロ。右投げ右打ち。






