阪神ナインはすっきりした髪形で開幕に臨むという話だ。この日、大阪市内で「吉田義男氏お別れの会」が執り行われた。先月3日にこの世を去った猛虎のレジェンドを送るセレモニーである。
「お別れの会」は2部制で2部はOBや関係者が列席。その前の1部では新指揮官・藤川球児をはじめ、ナインたちの姿があった。その会場で監督、コーチ、選手、裏方はタテジマのユニホーム姿で座っていた。
ユニホーム姿だが、もちろんキャップ、帽子はかぶっていない。当然である。うしろからその姿をジッと見ていて「ふ~ん」と思ったのは、こういうことだ。「阪神は茶髪もロン毛もおらんなあ」-。
厳粛な場でそんなことを考えているのは、いささか不謹慎かもしれないが、おそらくムッシュ吉田にそれを言えば「そんなん当たり前ちゃいますか」とおっしゃるだろうなあ、と感じていたのである。
プロ野球ではもはや言うまでもないが、最近は高校野球でも丸刈りでない学校も増えた。その是非をここで言うつもりはないし、髪形とは本来、個人の自由、似合っていればそれでいいのだろう。
それでもチームによっては内規のようなものがある。極端に明るくしたり、長くしたりするのは、なんとなくNGという感じだ。阪神もそうだったかなと思って、ヘッド格の1軍総合コーチ・藤本敦士と雑談してみた。阪神は茶髪、ロン毛はあかんかった?
「いや、どうかな。少なくとも1軍はそんな細かいこと言うてないですけどね。今はああいう感じが流行なんじゃないですか」。笑顔を浮かべて言った藤本だが、こう付け加えた。「まあ、言わんでも分かってるでしょ、そら」。
ヘアスタイルは個人の自由と書いたが、それでもなあ、と思うときもある。ズバリ、セ・リーグにはあまりいないが、交流戦などで茶髪どころか金髪、ロングヘアーの選手を見かけると「なんだかなあ」と感じてしまう。あんたがトシ取っただけや、と言われれば返す言葉もないのだが。
とにかく阪神にはそんな選手はいない、ということだ。レジェンドの前で今季の飛躍を誓った選手たち。歴史は他球団に負けずにある。あとは強豪としての伝統だ。そうですよね、ムッシュ。そう思いながら眺めた選手たちの姿はさわやかだった。(敬称略)
【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




