海の向こう、デトロイト・タイガースはドジャースに連敗を喫したけれど、こっちのタイガースはカープに連勝。
そのド軍を東京ドームで下した阪神なんやから、そら、もう強いで~! と浮かれるのはここだけにして、悪くない連勝スタートなのは間違いない。
最大の見せ場は森下翔太の逆転2ランだろう。前日開幕戦の佐藤輝明に続き、クリーンアップの長打力を見せつけ、頼もしい。1番・近本光司も好調で、それが得点につながるし「打線」という感じである。
それもともかく「いいな」と思ったのは若い選手をチーム全体で救った印象を受けるからだ。先発・富田蓮は4回1失点、64球だったが先制を許し、5回の攻撃で代打を送られた。これは仕方ないが、無失点で粘れていれば、もっと投げられたのでは、と思う。
そして初登板の工藤泰成だ。1-1と追いついた5回にマウンドへ。速球が魅力のスター候補生だが、さすがに緊張、力みもあったのか。1点を勝ち越される押し出し四球を含む3つの四球でイニングを全うできずに降板する結果となった。1死から投手の床田寛樹に安打を許したことがキッカケでもあり、これももったいない感じではある。
いいな、というのはここからだ。6回にすぐ森下の一撃で逆転。それだけでなく、工藤の後を受けた及川雅貴からのブルペン陣、そして捕手・坂本誠志郎を含む野手陣全体が機能し、若い投手たちの負けを救ったのである。当たり前といえば当たり前だが、野球は1人でやるものではないし、チーム全体で勝てたという手応えを感じる。
「押し出し1つでゲームが決まるとは思わないので。そういう日もありますけど、まだ十分イニングが残っていましたから。自分たちの攻撃陣を信用しているところはありますからね。坂本もよく支えながら、まあ、チームですよね」。指揮官として初のシーズンを連勝でスタートさせた藤川球児はそう話した。
富田に関していえば、先週のオリックスとのオープン戦で犠打ができず、フィールディングも乱れたところを見せたが、この日は3回に犠打を決め、その裏の守りでバントゴロを素早く処理し、併殺を完成させた。そう簡単ではないとは思うが、成長も感じさせる動きだ。勝ち越しを決めた阪神、虎党は3戦目に投げる若い門別啓人の投球を楽しめる状況になった、と思う。(敬称略)
【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




