右投げ右打ちの巨人・坂本勇人は、ペンを左手で使うなど普段は左利きだ。野球ファンなら知る話だろう。幼少時、右利きの兄のグラブを使っていたので野球は右になったらしい。

その坂本が関西弁でヒーローインタビューに答えていた。「ボクらしいレフト線の二塁打」-。4回に先発・門別啓人が内角球を打たれた決勝打だ。左翼・前川右京が「切れないのか?」という様子で打球を追っていた。バットを引く側の左腕を器用に使うので、そういう打球が出るという。

その坂本が象徴するように巨人は必死だった。本拠地で2カード続けて全敗するわけにはいかない。しかも主砲・岡本和真が前日のアクシデントで長期離脱することが判明。その岡本に代わって1軍昇格した坂本の活躍で勝ったのだから巨人にとっては大きな1勝だろう。それは間違いない。

阪神にとってはどうか。負け惜しみに聞こえるかもしれないが、死球を受けた中野拓夢の状態は別にして、それほどこたえる1敗とは思わない。勝ち越しを決めていたカード。3連勝なら最高だが、プロ同士、そう甘くはない。直接の敗因は門別が4回2死から連打され、さらに8番を申告敬遠した後で投手の山崎伊織に安打されるなど粘れなかったことだろう。

「初回に本塁打されて、その後、2ボールとか逃げていたんで。若いな、というところは感じますね。まあ課題ですよね」。指揮官・藤川球児はそう話したが、門別もこれからというところ。すべて勉強だ。

ここで思い出すのはこの9連戦の最初である。中日に敵地で3連敗を喫してしまった。同一カード3連敗は今季これだけだが、これが今回の9連戦を4勝5敗と負け越す結果につながったのは間違いない。

繰り返すがカード3連敗はプロとして避けたいこと。しかも…といえば失礼だが、現状、借金生活の中日相手だった。巨人にはこれで7勝2敗と大きく勝ち越すが中日には1勝4敗。これはよろしくない。どこが相手になるか分からないが、優勝争いを続けていくためには、この対戦成績を早めに5割以上にしたい。

9日からは中日戦(甲子園)だ。さらに23日からは再びバンテリンドームで3連戦。9連戦の結果について虎番記者に聞かれた球児は「そこでくくったつもりはないんで。また明後日です」と話した。その通り、戦いは続く。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

巨人対阪神 力投する阪神先発の門別(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 力投する阪神先発の門別(撮影・加藤哉)