4日は闘将・星野仙一の命日だ。今年で8年。いつも書くが現在の「強い阪神」の礎を築いたことで忘れてはならない人だ。昨年オフ、ある話題で闘将のことを思い出した。阪神が4年ぶりに復活させる「キャプテン制」についてである。
阪神監督時代、闘将は我々、虎番キャップからキャプテンを置かないのかと聞かれてこう言ったものだ。「キャプテン? オレやないか、それは!」。自身がトップ、全権監督としてチームを強い組織へと導く覚悟を決めた上での話だったと思う。選手の間にキャプテン、リーダーを置こうという考えはなかった。
前監督の岡田彰布(オーナー付顧問)も似たような感覚だったと思う。そこを引き継いだ指揮官・藤川球児も就任1年目の昨年、キャプテンは置かなかった。それが2年目を前に、正捕手となった坂本誠志郎を主将に指名したのである。
念のために書くが星野にせよ、岡田にせよ、あえて「主将」と銘打たずともチームの命運を左右するような選手へのリスペクトは持っていた。今回キャプテンに指名された坂本がそういう立場なのも虎党なら知るところだろう。人選に疑いはない。言葉、形にするかどうかの違いのような気もするが、面白いと感じるのは球児の姿勢だ。
このオフ、元監督・和田豊がヘッドコーチに就任した。球児は昨季中、よく、こんな話もしていた。「ヘッドコーチがいないからダメって、どういう発想なんですかね?」。“型”にはめようとする一部の声に反応してのことだった。
それがこのオフ、ヘッドコーチを置き、そして優勝した昨季はなかったキャプテン制を実施するという。そんな変化に接し、思い出すのはこれも球児がよく言っていたことだ。
「トップは考えが変わってもいいんです。『君子豹変(ひょうへん)す』って言うでしょ? あれですよ」。組織、野球でいえばチーム、勝敗に最終責任を持つ監督は言うことや考えが変化してもいいという思考のようだ。
このオフ、それを感じている。連覇を果たす大目標がある。そのために変化を恐れず、いいと思うことを迷わずに実行していく。そういうことか。虎党が受ける印象とは違って? 結構、頑固な指揮官だがそこに柔軟さが増したのかも、と思えば、いいことかもしれない。いずれにせよ重要なのは結果である。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)




