優勝しか見えない! 今日11日、明治神宮野球大会(神宮)が開幕する。高校の部で2年ぶり6度目出場の仙台育英(東北・宮城)西巻賢二主将(2年)らナインが10日、都内で行われた開会式に出席した。11日の1回戦で履正社(近畿・大阪)と激突する。小6からコンビを組む斎藤育輝(なるき)二塁手(2年)と鉄壁二遊間を形成し、2年ぶり3度目の優勝を狙う。

 決戦を前に胸の高鳴りが止まらなかった。明治神宮を参拝後、開会式を終えた西巻は自信に満ちあふれていた。「とうとう始まる、という感じ。優勝しか考えてない」。1年夏の甲子園、準決勝で対戦した早実(東京)清宮幸太郎内野手(2年)とは開会式で再会した。「遠めに見ただけ。相変わらずデカいなと思った」。順当に勝ち上がれば決勝で当たる怪物とは言葉を交わさず、会場をあとにした。

 鉄壁の二遊間が今秋の快進撃を支えてきた。小6の楽天ジュニアから、秀光中でも斎藤とコンビを組んできた西巻は「お互い何がやりたいかが分かるので、やりやすい」と相棒を絶賛。併殺を完成させ、チームの危機を救ってきた斎藤も「何も言わなくても自然にできる」と一体感を強調。県大会から東北大会まで55回3失点と好投したエース左腕・長谷川拓帆(2年)は「2人がしっかり守ってくれたおかげ」と、信頼を寄せている。

 打っては1番西巻に続く2番として、小技を利かせるのが斎藤だ。東北大会では12打数0安打ながらチーム最多6犠打を決め、準決勝の聖光学院(福島)戦では決勝犠飛を放った。盗塁を成功させる空振りや、待球で後続に球筋を確認させるなど、黒子に徹する斎藤は「打てなくてもやることはある」と胸を張る。佐々木順一朗監督(57)は「野球をよく知っている。打撃の貢献度も高い。いぶし銀ですね」と評価する。

 12年、14年と、2年ごとに優勝を果たしてきた。西巻は先を見据える。「神宮大会はセンバツのスタートになる大会。現時点でどのくらいの力があるかが分かる」。まずは履正社をたたいて、勢いに乗る。【高橋洋平】