智弁和歌山が紀央館との接戦を制し、2年ぶりの甲子園出場を決めた。エース黒原拓未投手(3年)が、8回途中7安打2失点。今春から専任コーチを務める元阪神の中谷仁氏(38)からフォームの指導を受けた効果も大きく、安定感ある投球で勝ち上がった。黒原は「試合前も『力出せば抑えられる』と言ってもらいました」。甲子園63勝の名将、高嶋仁監督(71)も「中谷が野球のイロハを教えてくれている」と感謝。中谷コーチは「(練習では)そんな甘い球を投げていたら話にならないなどと言います。時には放送禁止用語も出ます」と冗談を交えた。97年阪神ドラフト1位が、指導者として甲子園に帰ってくる。

 ◆智弁和歌山 1978年(昭53)創立の私立校。生徒数783人(女342人)。野球部は79年創部で部員数は32人。甲子園出場は春11度、夏は22度目。優勝は春1回、夏2回。主なOBにヤクルト武内晋一、日本ハム西川遥輝、元阪神中谷仁ら。所在地は和歌山市冬野2066の1。藤田清司校長。

◆Vへの足跡

2回戦12-2神島

3回戦10-2和歌山南陵

準々決勝15-1田辺工

準決勝8-3市和歌山

決勝3-2紀央館