◆日大山形

 先発野手7人が左打者の中、唯一の右打者・4番舟生大地捕手(3年)が打線をけん引する。3本塁打に加え、チーム1位の11打点と強烈な存在感を発揮した。プリンスホテル時代にアトランタ五輪の代表最終候補だった荒木準也監督(45)は今も打席に立って打撃指導をしており、山形大会全5試合で2桁安打をマークするほどの強力打線を作り上げた。一方の投手陣はエース右腕森田南々斗(3年)が決勝で9回12奪三振3失点と気を吐いた。2番手には今春まで背番号1を任されていた左腕の近藤皓介(2年)が控える。

 ◆明桜(秋田)

 すべては投打の大黒柱、山口航輝(2年)にかかっている。打っては4番としてチーム2位の5割6分3厘、1本塁打と大暴れ。投げては主戦として、25回2/3を投げ30奪三振2失点。最速146キロの直球に加え、多彩な変化球で打ち取る。唯一の懸念は決勝で負傷退場した山口航の回復具合。一塁けん制で逆をつかれ、帰塁時に右肩を痛めた。試合後は肩が上がらないほどだったが、果たして本番に間に合うのか。背番号1の佐藤光一投手(3年)も安定しているが、山口航の復活なくして甲子園1勝は厳しい。

 ◆青森山田

 8年ぶりの甲子園は「青森っ子」が新風を吹かす。ベンチ登録18人中13人が県内出身。夏6連覇していた09年当時はメンバーのほとんどが関西勢だったが、原点回帰3年目に花が開いた。得点は主将の1番相坂大真内野手(3年)の出塁から生まれる。打率6割に迫る5番福原朱理捕手(3年)がチーム1位の11安打で6打点を稼ぎ、勝負強さが光る。投げてはエース左腕三上世視滝(せしる、3年)が大黒柱。いかに最少失点で三上につなぐかが鍵となる。東北勢最少のわずか1失策の鉄壁守備陣がもり立てる。