全国高校野球選手権の第100回記念で史上初となる福岡から甲子園に出場する2校を決める「北福岡」「南福岡」大会の組み合わせ抽選会が22日、福岡県飯塚市内で行われた。「南福岡」では、昨年センバツで2打席連発を放った福岡大大濠・樺嶋竜太郎外野手(3年)が1番打者として最後の夏に挑む。大会はヤフオクドームで7月7日に同時開幕する。

 昨年センバツの2打席連続本塁打男、樺嶋が高校初のリードオフマンで南福岡制覇に導く。センバツで8番、昨夏と秋は6番、春先は5番だった。だが夏を見据え5月上旬に1番に抜てきされた樺嶋は「一番多く打席が回るので出塁や先制点で勢いづけたい」。優勝した同下旬の福岡地区大会では、東福岡戦で中越えの高校通算22号本塁打を放つなど早くも結果を残しけん引。夏もパンチ力に加え、50メートル6秒7の快速を生かした機動力を武器に暴れる。

 プロ注目だったバッテリーの核が抜けた新チームは、八木啓伸監督(40)によると「完成度が低かった」と言い、昨秋と春の福岡大会はいずれも3回戦敗退。だが試行錯誤の末、樺嶋を切り込み隊長に。センバツを経験した稲本侑星内野手(3年)が4番、2年生ながら成長著しい高校通算20本塁打超の元U-15日本代表、星子海勢捕手を5番に据える打線に落ち着いた。指揮官も「適材適所で、ここに来て戦えるようになってきた。今の形が理想」と、夏へ手応えを感じている。

 2季連続出場を目指した昨夏、V候補ながら決勝で東筑に敗れ「頭が真っ白になった」と樺嶋。犠打ミスもあり「先輩の夢をつぶした」と悔いた樺嶋を筆頭に「先輩の(センバツ)ベスト8を超える」が合言葉。チーム一丸でリベンジに燃えている。【菊川光一】