岡山は創志学園が2年ぶりに夏の甲子園切符をつかんだ。2失点で完投した2年生エース西は「厳しい練習を思い出して涙が出た」と腕を突き上げて感情を爆発させた。

 幸先よく打線の援護を受け「気持ちを出していった」と力強く腕を振った。直球は自己最速を更新する150キロを記録。緩いカーブを巧みに織り交ぜ、相手打線を翻弄(ほんろう)した。「スタミナには自信がある」と球威は落ちず、最後は11個目の三振を奪って勝利を決めた。

 広島県廿日市市出身。西日本豪雨で自宅は難を逃れたが、中学時代の友人が被災した。岡山県も大きな被害を受けており「甲子園で勝ちを挙げ、元気づいてもらえれば」と健闘を誓った。

 東日本大震災が起きた2011年のセンバツ大会で春夏を通じて初の甲子園出場を果たし、開会式では当時の野山主将が「生かされている命に感謝し、全身全霊でプレーを」と選手宣誓した。主砲の金山は「創志学園の歴史はあそこから始まった。今回出られるのも何かの縁。自分たちも勇気を与えるプレーをしたい」と意気込んだ。