清水桜が丘(中部2位)は、加藤学園(東部1位)を4-1で破り、初の東海大会(10月20日開幕、三重)切符を獲得。エース敦賀渉(2年)が、3安打9奪三振で完投勝利を飾った。決勝と3位決定戦は29日、草薙球場で行われる。

2013年(平25)創立・創部の清水桜が丘が、またもや歴史を塗り替えた。4-1の9回裏2死、敦賀が、最後の打者を得意のスライダーで見逃し三振に仕留め、初の東海大会出場を決めた。瞬間、敦賀はマウンドで跳び上がり、歓喜の輪の中心になった。

前日22日の準々決勝に続き、2試合連続完投勝利。エースは充実感あふれる表情で言った。「疲労感より、達成感が大きいです。今まで苦しかったですが、ここまで来られて、『うれしい』のひと言です」。

身長180センチでスラリとした右腕。名投手だった野茂英雄さんをほうふつとさせる「トルネード投法」が特徴だ。しっかりと「ため」を作ってから、ムチのように右腕をしならせる。最速は135キロだが、打者に数字以上の球威を感じさせている。制球力向上を目指し、昨冬から、徐々にアレンジしながら、このフォームにたどり着いたという。

今夏まで、チームには絶対的エースの遠藤龍成(3年)がいた。遠藤に対して、敦賀は「気持ちで引けていた部分もあった」と言うが、結果を残し続けてエースの自覚が芽生えた。「遠藤さんがいなくなって『自分がやらなきゃ』という気持ちが出てきました」。

決勝では、静岡を破り勢いに乗る御殿場西と対する。「ここまで来たら、県1位で東海大会に行きたいです」と敦賀。その右腕で、さらに歴史を塗り替える決意だ。【鈴木正章】