【第3試合(14:00)啓新(福井)-智弁和歌山(和歌山)】

2回戦ラストカードで8強が出そろう。

啓新は春夏通じて初の甲子園だが、昨秋の北信越大会決勝で、敗れたものの、奥川擁する星稜(石川)と延長15回再試合を戦った底力をもつ。27日の1回戦では昨秋の関東王者・桐蔭学園(神奈川)に接戦で競り勝った。強豪・智弁和歌山といかに戦うか。

初戦は好機を確実にモノした。初回、3番穴水芳喜捕手(3年)が先制適時打を放つと、4番竹原翔外野手(2年)も適時打を放ち、2点を奪った。中盤以降も、得点圏で勝負強い打撃が光った。

投げては安積航大投手(3年)浦松巧(3年)でつなぐ必勝パターンで逃げ切った。先発した安積は7回を投げ10安打を許したが、要所を締め、ゲームを作った。抑えの浦松は2回無安打のパーフェクトリリーフ。強打の智弁和歌山打線をどこまでかわせるか。打撃で投手陣を援護したい。

◆啓新の主なOB 阪神牧丈一郎

昨春準Vの智弁和歌山は自慢の打線が、1回戦の熊本西戦で18安打と絶好調だ。プロ注目コンビ、主将で黒川史陽内野手(3年)と東妻純平捕手(3年)も快音を連ねた。

3番黒川は勝ち越しタイムリーを含む2安打2打点。4番東妻は豪快な3ランを含む2安打4打点の活躍を見せた。その2人だけでなく、計6打者がマルチ安打を記録。昨秋のチーム打率は出場校中2位の3割8分3厘を誇り、切れ目のない打線は脅威だ。また、黒川の父洋行さんは上宮高校の主将で93年センバツV。親子2代でセンバツ制覇の偉業に挑んでいる。

投手陣は1回戦で池田陽佑投手(3年)が4イニング、池田泰騎投手(2年)が3イニングを投げた。この主力2投手を軸とした継投がカギを握りそうだ。

積極的に動き、甲子園初勝利を飾った中谷仁監督(39)の采配にも注目したい。

和歌山勢では、市和歌山が8強一番乗りを果たしている。智弁和歌山が勝てば、1938年(昭13)第15回センバツで海草中(向陽)と海南中(海南)が勝ち残って以来、和歌山2校の準々決勝進出となる。

◆智弁和歌山の主なOB 日本ハム西川遥輝、中日岡田俊哉、ロッテ東妻勇輔