星稜が9回に2点差をひっくり返す逆転勝ちで、令和初の石川県王者になった。2回、相手4番と5番の2者連続ソロ本塁打で先制を許したが、3回に1番東海林航介外野手(3年)の左越え本塁打などで同点に追いついた。

さらに6回に犠飛で勝ち越した。

だが7回2死2塁から3連打で3点を失い、再び2点リードを許す展開に。重くのしかかると思われたが「マイナスムードもなく、いくぞというムードだった」と山瀬慎之助捕手(3年)は振り返った。

9回は驚異的な粘りを発揮した。無死二塁から知田爽汰内野手(2年)の打球が相手投手の左手を直撃する強襲安打となった。7分間の中断を挟んだが、集中力を切らさなかった。一、三塁から3連続四球で同点に追い付き、さらに無死満塁から犠飛や適時打で3点を奪ってし、一挙5得点した。

6月4日まで指導禁止処分を受けている林和成監督(43)に代わり、監督代行を務めた山下智将部長(37)は「素直にうれしい。足元見つめて1戦1戦頑張ろうと言っていた。生徒たちが頑張ってくれた」と目を細めた。

エース奥川恭伸投手(3年)は今大会での登板はなかった。4月上旬に行われたU18代表選考合宿の後、肩に張りを感じたことから、大事を取って登板を控えたという。「優勝できてほっとした。北信越大会までに万全にできるようにしたい」とうずうずした様子を見せた。