大会注目左腕の近江(滋賀)・林優樹投手(3年)が初戦で散った。

強豪東海大相模の超積極走塁の前に、滋賀大会全5試合を史上初の無失策で勝ち上がった堅守が乱れた。林は9回118球を投げ切るも、6安打6失点(自責1)。試合後には、こみ上げてくる悔しさをこらえることはできなかった。

東海大相模が掲げる「アグレッシブベースボール」の前に、バッテリーを中心とする守りがかき乱された。4回、四球の走者を二塁に進められ、遊撃の失策で先制を許した。6回には失策で出した走者が、バントミスの捕邪飛で二塁へ進塁するなど、東海大相模の攻撃的走塁を見せつけられた。普段はテンポのいい林はリズムに乗れず。この回3失点。リードを広げられた。打者走者の全力疾走に、常に次の塁を狙う大きなリード。鍛え抜かれた走塁意識によるプレッシャーに、近江野手陣は冷静さを欠いた。6失策で、林をもり立てることはできなかった。

林は試合後、「エラーを自分がカバーできなくて悔しい」と、チームメートをかばった。東海大相模の足を絡めた攻撃には「さすが関東王者。すごい野球を体験させてもらった」と振り返った。

昨夏は準々決勝で金足農(秋田)の前に、サヨナラ2ランスクイズで逆転負け。マウンドに2年エースとして立っていた林は、ぼうぜんとするしかなかった。悔しさを胸に、リベンジの聖地に帰ってきた。「粘りのピッチングというのは9回通じてできたと思う。この近江高校で野球ができて良かった。この1年間、自分1人では帰ってこれなかった場所。すごく感謝したいです」。応援してくれた全ての人に、気持ちを伝えた。 昨夏も2年生バッテリーを組んでいた捕手有馬とは「日本一のバッテリー」を目指してきた。「有馬がいなかったら、今の自分もいない。すごく感謝したいと思います」。最高の相棒と過ごした3年間が、幕を閉じた。