旭川地区は、旭川実が旭川永嶺を9-0の7回コールドで下し、2年ぶり16度目の秋全道進出を決めた。

1年生エース田中楓基(ふうき)が7回2安打無失点と好投。昨夏以来4季ぶりの道大会を呼び込んだ。力のある直球にスライダーを織り交ぜ7奪三振。最速142キロ右腕は「要所でしっかり抑えられたのは良かった。春も夏も地区敗退だったので、全道に出られてうれしい」と喜んだ。

公式戦デビューの5日旭川西戦は、8回188球を投げ被安打11で11失点。打線の援護でサヨナラ勝ちも、7四死球に3暴投と課題が残った。「コースを狙いすぎた。思い切ってストライクを投げて打たせて取ろう」と気持ちを切り替え、2回戦の旭川東戦は5回2/3を1安打無失点。この日も含め2戦12回2/3を3安打無失点と修正した。淡々とした表情は「先輩にイチロー選手に似ていると言われる」。顔だけでなく、状況や年齢に応じ変化し高いレベルを保ってきた、本家のような対応力も持っている。

本来エースの笠間稜世(2年)が7月に右ひじを手術。全道大会は間に合わないが、来春センバツの時期には復帰できる予定だ。「全道で勝ち上がり、笠間先輩と甲子園で一緒に投げたい」。聖地での共闘を思い描く。【永野高輔】