毎年恒例の定期戦はダブルヘッダーで行われ、主力中心の1試合目は1-0、選手を入れ替えた2試合目も10-8で福島商に軍配が上がった。50年以上の歴史を持つ伝統の一戦。コロナ禍の中、ともに県外チームと今季初対決をこなし、それぞれ独自開催される県大会に向けて士気を高め合った。

1試合目は、福島商が初回裏2死二塁、4番・山田雄翔内野手(3年)の中前適時打で先制。3投手による完封リレーで「スミ1」を守り切った。先発右腕・中村魁斗(3年)が5回を散発2安打でゲームメーク。昨年の同定期戦で3回13点と乱れた中村は「コースを意識して投げました。もっと右打者のインコースを突けるようにしたい」とエース番号獲得に闘志を燃やす。夏の甲子園大会歌「栄冠は君に輝く」は学校OB古関裕而氏(故人)が作曲。NHK朝の連続ドラマ「エール」で注目されている。今春から4番に座る山田は「ドラマだけでなく盛り上げたい」と今季初公式戦を待ち望んでいる。

一方、今夏の宮城大会第2シード仙台商も2投手の継投で2回以降は無失点に抑えた。エース左腕・浜田優斗(3年)は5回を3安1失点に抑え、毎回の7奪三振。「逆球も多かった。真っすぐと変化球の投げ分けをできるようにしたい」と修正を誓った。

今年創部100周年の仙台商は通算4度、来年100周年の福島商は通算11度の甲子園出場実績を持つ。甲子園が中止になった今夏、両校ナインは「(独自開催の)東北大会で対戦したい」と再会を約束した。【佐々木雄高】