<高校野球群馬大会:樹徳9-1桐生>◇24日◇1回戦◇敷島球場

試合の裏に、高校野球ならではのドラマがあります。「心の栄冠」と題し、随時紹介します。

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幼なじみの相手エースを攻略した。樹徳のリードオフマン大関が、2回の先制タイムリーを含む2安打。「1打席目は力んでいた。2打席目は緊張もほぐれた」と左前打を並べた。「いい形で勝ててうれしい。チームの雰囲気も良かった。楽しんでできた」と喜んだ。

桐生の先発大島は、互いの家が自転車で3分。幼いころからずっと一緒で、中学も同じチームだった。移動が制限される新型コロナウイルスによる自粛期間中は、自然と練習パートナーになった。大関は「勝ちです」と笑って「(大島のことは)ほぼ分かっている。追い込まれるまで真っすぐを狙っていたが、変化球には体がうまく反応して、打つことができた」。手の内を知り尽くした同士の対戦を堪能し、上回った。

昨日の友は今日の敵…それでもやっぱり、竹馬の友だった。「この試合ができて良かったです。やりづらい部分はあったけど、3年間高校は違えど、一緒に自主練とかを頑張ってきた。『ありがとう』と言いたい」と野球がつないでくれた縁に心から感謝した。初戦で夢破れたお隣さんの思いも背負い、優勝へ突き進む。【小早川宗一郎】