昨年4月に日大三島の指揮を始めた永田裕治監督(57)が、静岡での夏初勝利を挙げた。昨夏の県高野連独自大会の2回戦で静岡高に0-2で敗れ、就任後初の公式戦を飾れなかった。1年後に手にした「夏1勝」。報徳学園を率いて春夏通算18度の甲子園出場を誇る指揮官は「1つ1つ勝ち上がるごとに力をつけてほしい」と、発展途上のチームに期待した。

集中打を浴びせて、一気に押し切った。序盤は優位に試合を進めたが、6回表に4点を失い同点とされた。守りを終えてベンチへ戻ったナインを「そう簡単に勝たせてくれないぞ」と鼓舞。監督の言葉に選手たちは奮起した。裏の攻撃で打者15人の猛攻。敵失なども重なり、7安打で10得点を奪って試合を決めた。

永田監督が「若いチーム」と表現するように、ベンチ入り20人中14人が2年生以下。1年生が7人も登録メンバーに名を連ねる。その中で信条の“全員野球”を貫く。試合前日も、ベンチ外の選手を含めてノックを行った。特に最上級生の働きに目を細める。「3年生が先頭に立って頑張っている。この日の勝利も彼らのおかげ」とたたえた。

2回戦は遠江総合と対する。指揮官は「1週間ある。しっかりと準備したい」と、目を光らせた。