ノーシードの国士舘(西東京)に救世主が現れた。背番号「4」小泉拓巳内野手(3年)は今夏、高校入学後初のメンバー入りを果たした。初の公式戦に「7番二塁」で出場。先頭で迎えた2回の初打席、初球を振り抜いた打球は中堅手の頭上を越える三塁打となった。次打者の適時打で生還し、序盤で貴重な3点目をもたらした。

昨秋、今春はボールボーイだった。春季大会終了後、緊急事態宣言の影響で練習試合がほぼ中止に。代わりにスタメン対控えの紅白戦が組まれた。控えチームで出場し「合計8試合くらいやりましたが、全ての試合でヒットを打ちました。紅白戦じゃなかったら監督に活躍をみてもらえなかったと思います」。猛アピールで巡ってきたチャンスをものにした。

身長161センチ、体重60キロ。努力を重ねスタメンの座をつかんだ。永田昌弘監督(63)は「試合で動ける体じゃなかったんです。3年になって足が動いてきました。今日も長打を打ちましたし、成長しましたね」と目を細めた活躍だった。

大会前、小泉は「ホームランは打てません。その分、チームに勢いをつける守備と、つなぐ打撃でチームに貢献します」と誓っていた。この言葉通り、三塁打に加え、2四球と失策で計4出塁。有言実行で、18得点のコールド勝ちに貢献した。【阿部泰斉】

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