青山学院は、タレント中山秀征の次男・脩悟主将(3年)が「4番投手」として出場。6安打完封勝利を挙げた。

2年分の夏1勝だ。同校は昨夏、コロナ禍で開催された独自大会を学校判断により辞退した。昨秋、今春は出場できたが、夏にプレーするのは2年ぶり。中山は「本当にうれしいです」と、さわやかな笑顔を見せた。「去年、出られると思って練習していたので、悔しかったです。でも、その分、切り替えて、秋、春を見据えてチームを引っ張ってきました」。

この日の朝、父からは「緊張しても、去年の夏、出られなかった分、運を集めている。自信を持って行きなさい」と送り出された。その父もスタンドに駆け付けた。ピンチを脱するたび、ガッツポーズで盛り上げた。息子も同様にガッツポーズ。「(父と似ているのは)遺伝的なものもあるんですかね」と笑った。

試合後、球場を後にした父は喜びを隠せなかった。「ホッとしました。公式戦で勝つところは、初めて見たと思います」と、まずは笑顔。ただ「去年の夏、辞退して、選手たちはつらい思いをしてきました。本当に、よく頑張りました」と語ると、目には涙がにじみ出た。さらに「諦めず、くさらず、やってくれました」とねぎらった。息子の自主トレに付き合い、一緒にキャッチボールをしてきたという。「もう、捕れないですね」と、息子の成長を喜んでいた。