エースの務めを果たした。関東第一は、先発の市川祐投手(3年)が3回無四球1安打無失点。唯一の走者は、押し込んだ飛球が中前に落ちたものだった。三振は5つを奪った。前日に先発を伝えられ「初戦の難しさがある。自分は、去年も、一昨年も(公式戦を)経験させてもらった。しっかり抑えようと思いました」と、チーム初戦に臨んだ思いを明かした。

最速146キロ右腕で、プロ注目の存在。だが、今春までは投球フォームが定まらずに苦しんだ。関東大会準優勝で終えたが、大会後、何が足りないか、自身を見つめ直した。「直球の球威、キレが足りない」。そこで取り入れたのが、指先のトレーニング。夜間練習で、3キロのダンベルを右の親指、人さし指、中指の3本でつまむように持ち上げた。約50回を週3日。「回転数、キレが上がりました」。測定器で測ると、直球は約2000回転から2400回転まで上昇。最速も3キロ増した。

この日の5三振は、全て空振りだった。「直球で空振りやファウルが増えました」と成果を感じている。エースの好投で、2年ぶりの頂点を狙うチームは初戦快勝。米沢貴光監督(45)は「初戦は市川でいくと、大会前から決めてました。関東大会が終わった後から、すごく良くなった」と高い信頼を口にした。