「夏の履正社」がド迫力発進!! 大阪大会で、19年夏の甲子園優勝校の履正社が、古豪の市岡に16安打19得点で5回コールド勝ちした。主将の4番松林克真内野手(3年)は5打点の大暴れ。昨秋は低調でセンバツを逃し、今春府大会も4回戦敗退でノーシードだった。夏の公式戦は19年から21連勝(20年独自大会含む)。幸先よく、逆襲のスタートだ。

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履正社は、やはり暑い夏が似合う。19年に全国制覇した王者の誇りだ。2回、一気に市岡をのみ込んだ。4連打など6安打を集中して7点。3回も6点を加え、4回も打者10人で6点を奪取。すさまじい波状攻撃で古豪をなぎ倒した。

3打席連続二塁打で5打点の松林は「低いライナー性の打球を意識して、結果につながった」と胸を張った。大阪シティ信用金庫スタジアムのある舞洲独特の逆風に立ち向かう工夫だ。ナインは悔しさをバネにする。昨秋府大会は府立の山田に逆転負け。松林も「頭が真っ白になった。履正社のプライドがあったから…」と明かす。必死にチームを立て直し、仲間に訴えた。

「長い冬になる。冬の練習を頑張って、春とか、夏に伸びるよう練習しよう」

練習から全力疾走、ミス撲滅を徹底した。春季府大会も4回戦で興国に敗れ、夏はノーシード。だが、本番間近でチーム状態は上向く。4日の練習試合・高知戦で今秋ドラフトの目玉、森木大智投手(3年)から得点を挙げるなど快勝し、松林も森木から2安打。自信になった。

歴戦の将、岡田龍生監督(60)は言う。「今年は未経験者が多い。おととしも甲子園に行ってから1試合の伸び率がすごかった。公式戦は生徒を大きく伸ばすチャンス」。本番を迎え、選手に伝えた。「昭和の野球というか、泥臭く野球せんとあかん」。13点リードの4回無死一、二塁でも犠打から得点した。松林は「倒さなければいけない」と、大阪桐蔭をライバルに見定める。19年から夏21連勝。強い履正社が帰ってきた。【酒井俊作】