ノーシードから10年ぶりの甲子園を狙う帝京が、2試合連続コールド勝ちで4回戦に進んだ。

昭和第一に13安打14盗塁を浴びせ4イニングで17得点。打って、走って、点を取りまくった。中でも、4番の尾瀬雄大外野手(3年)が絶好調。初回の先制犠飛の後は、2ランを含む3打席連続安打。「練習からずっと調子がいいです」と笑顔を見せた。

公式戦1号、練習試合を含めれば高校通算4号は、超特大弾だった。2回2死二塁で高めの真っすぐを引っ張っり、右翼後方の防球ネットの高い位置を揺らした。昨秋は1番、今春は3番が持ち場だっただけに「4番といってもホームラン打者じゃない。後ろにいい打者がいるので、つないで」と話すが、4番にふさわしい当たりだった。

初戦となった11日の淑徳巣鴨戦は4打数4安打。これで、今大会ここまで7打数7安打で、驚異の打率10割だ。前田三夫監督(72)も「タイプ的には4番じゃないが、あの体でよくやっている。いいスイング、してますよ」と、身長168センチ、体重70キロの奮闘をたたえた。

尾瀬本人は気を抜かない。初戦の大勝から1週間の時間があった。「途中、練習でだらけそうになったんです。ミスをしても、流してしまっていた」とチームの緩みを感じ、3年生を中心に引き締め直したという。後輩の面倒見もいい頼れる4番が、頂点を狙うチームに勢いをつけている。【古川真弥】